膀胱鏡(膀胱内視鏡)|硬性鏡と軟性鏡の違い&検査後の過ごし方
「尿道からカメラを入れて膀胱内を観察する検査」です。ここでは硬性鏡(硬い金属製)と軟性鏡(柔らかいファイバースコープ)の違いと、検査後のセルフケアをスマホ向け1ページに整理しました。主治医の個別指示があればそちらを最優先してください。
所要:数分〜15分前後
局所麻酔が一般的
軽い血尿・しみる痛みは1〜2日で軽快しやすい
硬性鏡 vs 軟性鏡(ファイバースコープ)
| 項目 | 硬性鏡(Rigid) | 軟性鏡(Flexible) |
| 形状・しなり | 硬く直線的。視野は明るく広い。 | 柔らかくしなる。尿道のカーブに沿いやすい。 |
| 体感(痛み・違和感) | やや強めになりやすい。 | 一般に軽め。高齢者や前立腺肥大でも負担が少ない傾向。 |
| 適する場面 | 処置(大きめの生検・切開・止血など)に強い。 | 観察・軽い処置・外来ルーチンに向く。 |
| 麻酔 | 局所麻酔ゼリー±静脈鎮静。施設差あり。 | 局所麻酔ゼリーが多い。 |
| 合併症傾向 | 血尿・排尿痛はやや出やすい。 | 違和感は軽めだが、感染対策は両者とも重要。 |
まずはここだけ(検査後の要点)
- 水分を意識して増やす(コップ6〜8杯目安/可能なら1.5〜2.0Lを1〜2日)。尿路を洗い流し、しみ感を和らげます。
- 薄い血尿・回数増加・しみる痛みは1〜2日で軽快が一般的。
- 当日は激しい運動・飲酒・長風呂は控える(NG)。シャワーは可。
- 抗菌薬や鎮痛薬が処方されたら指示通りに内服。
当日〜3日の過ごし方
当日(0日目)
- こまめに水分。就寝前は夜間頻尿が辛ければ少なめに。
- 食事は普段通りでOK。香辛料・カフェイン・炭酸は様子を見て。
- 入浴はシャワー推奨/長風呂は翌日以降に。
- 運動は散歩程度まで。自転車・ラン・筋トレは控える。
- (鎮静や麻酔を伴った場合)24時間の運転禁止。
1〜3日目
- 薄い血尿・排尿時のしみは徐々に軽快。無理のない範囲で日常へ。
- 入浴(浴槽)再開は、血尿が薄く痛みが軽いことを確認して。
- 運動は段階的に再開。痛みや出血が強まるなら中止。
- 性行為は血尿が消失・痛み軽快後に。
控えること(目安)
- 当日:飲酒・長風呂・激しい運動・サウナ。
- 1〜3日:強い腹圧をかける動作(重い荷物・腹筋等)、自転車長距離。
- 血尿や痛みがある間の性行為。
合併症リスクとサイン
どの内視鏡でもゼロではありません。以下のサインがあれば連絡・受診を。
- 38℃以上の発熱・悪寒、下腹部痛の悪化(尿路感染の可能性)。
- 鮮紅色の持続する血尿、血の塊が出る、尿が出にくい/出ない。
- 強い排尿痛・悪臭のある濁った尿が続く。
- 生検や拡張などの処置を受けた場合、10〜14日目の遅延出血に注意。
よくある質問(Q&A)
いつ普段の生活に戻れる?
多くは当日〜翌日。麻酔や追加処置の有無で前後します。
痛み止めは?
まずはアセトアミノフェン系が無難。持病や併用薬がある場合は主治医に確認。
水分はどのくらい?
コップ6〜8杯目安(1.5〜2.0L)。夜間は量を調整してOK。
性行為はいつから?
血尿がなく痛みが引いてから再開を。
抗菌薬は必須?
施設方針やリスクで異なります。処方が出た場合は飲み切ること。
硬性鏡と軟性鏡、どちらが良い?
外来観察は軟性鏡が快適なことが多い/処置が主目的なら硬性鏡が有利な場面も。主治医と相談。
セルフチェック(メモ欄)
- 今日の水分量:____ L(目安1.5〜2.0)
- 血尿の色合い:薄い/中等度/濃い(メモ:____)
- 排尿痛の程度:0〜10で____
- 発熱(体温):____ ℃(38.0℃以上なら受診)
- 内服状況:抗菌薬(飲み切り)/鎮痛薬
※このページは一般的な目安です。年齢・性別・既往歴・前立腺肥大・カテーテル歴などで個別対応が異なります。
※心疾患・抗凝固薬/抗血小板薬内服中の方は、再開時期を必ず医師に確認してください。