🧬 DNA修復の欠陥と関連疾患

🔹 DNA修復の基本

DNAは紫外線・化学物質・放射線・細胞内代謝などによって日常的に損傷を受けます。
この損傷を修復するシステム(DNA修復機構)が働かないと、突然変異が蓄積し、がんや遺伝病を引き起こします。

🔹 主なDNA修復経路と対応疾患

修復経路 主な機能 関連疾患
塩基除去修復(BER) 酸化・アルキル化などによる小損傷の修復 変異型:神経変性疾患、がん
ヌクレオチド除去修復(NER) 紫外線によるピリミジンダイマー除去 色素性乾皮症(XP)
コケイン症候群(CS)
ミスマッチ修復(MMR) DNA複製時の誤り修正 リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)
相同組換え修復(HR) 二本鎖切断の正確な修復 乳がん・卵巣がん(BRCA1/2変異)
ファンコニ貧血
非相同末端結合(NHEJ) 二本鎖切断の迅速修復(誤りやすい) 重度免疫不全症(SCID)

🔹 修復異常による代表的疾患

🩺 コラム: DNA修復異常は「老化」「がん」「神経変性」の共通基盤です。 抗酸化食(ビタミンC・E、ポリフェノール)、適度な運動、良質な睡眠がDNA修復酵素の活性維持に役立ちます。