🧴 野草オイル・軟膏・化粧水レシピ集 / 季節ごとの1か月食養メニュー

総則(安全・保存・パッチテスト)

・手作り外用はまず「小範囲でのパッチテスト(48–72時間)」を行ってください。皮膚に傷がある部位には初回は使わないでください。詳しい手順は「パッチテスト」欄へ。

保存の目安

  • 浸出油(冷暗所):約6か月(オイルの種類と保存状態で変わります)。
  • 軟膏(清潔な容器・冷暗所):3–6か月。水分を含まない処方が基本。
  • 化粧水(ハーブ水・ハイドロゾル):冷蔵で1–2週間。防腐剤を入れた場合は延長可。

衛生

  • 器具は煮沸またはアルコール消毒する。手も清潔に。
  • 湿った手で容器に触れない。製造は清潔な環境で。

1)基本の浸出油(オリーブ油ベース)

用途:ベースオイルとして軟膏やマッサージオイルに。

● 材料(作りやすい量) 乾燥野草 20g(例:ヨモギ) オリーブ油(エキストラバージンまたは精製) 200ml ● 作り方(2通り) A. 速成法(低温湯煎) 1. 清潔な瓶に乾燥野草を入れる。 2. 上からオリーブ油を注ぎ、野草が油に完全に浸るようにする。 3. 瓶のフタを閉め、ボウルにお湯(約60°C)を入れて瓶を湯煎し、30–60分温める。火は強くしない。 4. 常温に冷まし、濾して瓶に戻す。 B. 低温長期法(風味がマイルド) 1. 瓶に詰めて室温で2–6週間置く(毎日振る)。 2. 期間後に濾す。 ● 備考:保存は冷暗所。精製油で安定性が増す。

(浸出油は化膿部位や深い傷のある箇所には直塗りしないでください。最初はパッチテストを)

2)軟膏(サルブ)基本レシピ(固さの目安)

ワックス(蜜蝋など)とオイルの比率で固さを調整。一般的な目安は「油:蜜蝋 = 4:1(軽い)」〜「3:1」または「2:1(固め)」。

● ベーシック軟膏(柔らかめ) 浸出油(上の浸出油) 40ml 蜜蝋(ビーズ状が扱いやすい) 10g (油:wax ≒ 4:1) 作り方: 1. 湯煎で蜜蝋を溶かす。 2. 蜜蝋が溶けたら浸出油を少しずつ加え、均一に混ぜる。 3. 火を止めて混ぜながら容器に注ぎ、冷ます。 ● 軟膏に加える(痒み鎮静、保湿)オプション成分(0.5–2%) ・ビタミンE(抗酸化) 0.5% ・カレンデュラ浸出油(炎症緩和) 適量

(蜜蝋の量を増やすと固くなる/減らすと緩くなる。重量で計測すると安定します。)

3)野草別:おすすめオイル・軟膏・化粧水レシピ

ヨモギ(保湿・血行促進)

● オイル:ヨモギ浸出油(乾燥葉20g → 200ml油)

● 軟膏:ヨモギ浸出油 40ml + 蜜蝋 10g(柔らかめ)

● 化粧水(簡易チンキ→化粧水)

作り方例: 1) ヨモギチンキ(食品用アルコールがある場合) : 乾燥ヨモギ 10g + アルコール50ml(1〜2週間漬ける)→ 濾す。 2) 化粧水:チンキ 5ml + 精製水 95ml(冷蔵保存)※敏感肌は薄めに。

ドクダミ(抗炎症・清浄)

● オイル:ドクダミ浸出油(同上)

● 軟膏:ドクダミ浸出油 40ml + 蜜蝋 10g。炎症が強い部位は最初は薄めて試す。

● 化粧水(煎じ液) : 開花期の葉を弱火で短時間煎じ、濾して冷ます(冷蔵1週間)。

スベリヒユ(痒み抑制・保湿)

● オイル:スベリヒユの搾汁を少量混ぜるか、浸出油にする。

● 軟膏:浸出油40ml + 蜜蝋10g。敏感な部位に少量ずつ。

スギナ(ミネラル補給・修復)

● オイル:スギナは粉末→少量の浸出油に溶かす(微粉末でざらつく場合は濾す)。

● 料理用に塩麹などで取り入れることを推奨(外用は刺激を見て少量)。

Tip:重度の炎症がある場合は、まず医師の診察・処方を優先してください(ハーブは一部で接触性皮膚炎を引き起こす報告あり)。

4)敏感肌向け化粧水(簡易・低刺激)

● 材料(100ml分) 蒸留水 90ml ハーブ浸出液(ヨモギまたはドクダミの煎液) 10ml グリセリン 1–2ml(保湿) 天然防腐剤(例:フェノキシエタノール等)使用時は指示通り ● 作り方 1. 蒸留水と浸出液を混ぜる。 2. 必要に応じて保湿剤を加える。pHチェックが必要な場合は弱酸性に調整(専門的)。 3. 冷蔵保存。開封後は1–2週間で使い切るのが安全。

(化粧品として長期保存する場合は防腐処方・pH調整が必要です。自己責任で行う場合は短期で使い切る方が安全)

5)パッチテスト(必須)

● 手順(簡易) 1. 二の腕内側など目立たない清潔な場所に少量を塗る。 2. テープなどで覆って48時間ほど放置(湿らせない)。 3. 48–72時間後に剥がし、発赤・かゆみ・水疱がないか確認。 4. 異常があればその成分は使用しない。

(既往に薬疹やアレルギーがある方、また炎症が強い皮膚には事前に皮膚科へ相談を)

🍽 季節ごとの「1か月(4週)」食養メニュー(要点・週別)

— ここでは季節ごとに「週単位」で食材と調理の方針を示します。毎日発酵食品(少量の甘酒・味噌・漬物など)を取り入れることを推奨します。

春(デトックス・芽吹き期) — 旬:ヨモギ、タンポポ、ノビル

方針主な朝 / 昼 / 夜の例
1週目デトックス強化:野草茶+発酵朝: ヨモギ甘酒 / 昼: 野草味噌汁+玄米 / 夜: ドクダミと根菜の煮物
2週目腸を整える発酵中心朝: 甘酒スムージー / 昼: 発酵おにぎり(スギナ塩麹) / 夜: 発酵スープ
3週目軽めのタンパク+青菜補給朝: 発酵ヨーグルト少量 / 昼: 雑穀と旬菜ランチ / 夜: 蒸し魚+野草添え
4週目保湿と補栄養週朝: ナッツと果物 / 昼: 発酵味噌の温かいスープ / 夜: 根菜と豆の煮込み

夏(冷却・抗炎症) — 旬:スベリヒユ、ミント、イタドリ

方針
1週目冷却食:水分とミネラル補給朝: スベリヒユスムージー / 昼: 発酵ラッシー+雑穀 / 夜: 冷たい野草スープ
2週目抗炎症の油を取り入れる青魚(朝/昼少量)・亜麻仁少々 / 夜: 野菜のオリーブオイル蒸し
3週目真菌リスク注意:清潔と発酵食昼: ドクダミ茶 / 夜: 発酵味噌で野菜煮
4週目軽めの夕食で皮膚の回復夜: 野草入り冷や汁 / 朝: 甘酒少量

秋(潤い補給・修復) — 旬:ヨモギ、スギナ、クコ

方針
1週目潤いを意識:発酵+オイルを適量朝: ヨモギ甘酒 / 昼: スギナ入り雑穀 / 夜: 発酵スープ(根菜)
2週目ビタミン・ミネラル補給果物・きのこ類・海藻を追加
3週目保温で血行改善夜: 発酵味噌スープ+生姜少々
4週目保存食の利用(冬支度)発酵食品を多めに取り入れる

冬(保温・バリア補強) — 旬:タンポポ根、ナズナ、根菜

方針
1週目温め重視:スープと発酵朝: 甘酒 / 昼: 根菜スープ / 夜: 発酵シチュー
2週目良質な油で皮膚バリアを補強青魚、ナッツ、オリーブオイル調理
3週目ビタミンD補給(食事+日光)キノコ類・魚・発酵乳(可能な場合)
4週目保湿と内側からの潤い夜: ヨモギオイルを少量の料理・スープのトッピング

※ 各季節とも「個別の食物アレルギー」がある場合は除外。重度例は専門医・栄養士と相談してください。

参考とさらに学びたい方へ(短いガイド)