新規ホルモン薬の治療費(概算の考え方)
対象薬:アビラテロン/エンザルタミド/アパルタミド/ダロルタミド
日本の公的医療保険 前提(概念整理)
薬価は定期的に改定され、剤形・先発/後発・用量で金額が変わります。
ここでは「月額の見積り方法」と自己負担の考え方を実務向けに整理します(最終額は医療機関・薬局でご確認ください)。
ここでは「月額の見積り方法」と自己負担の考え方を実務向けに整理します(最終額は医療機関・薬局でご確認ください)。
月額の出し方(実務フロー)
| ステップ | やること | メモ |
|---|---|---|
| 1. 薬の規格と1日量を確認 |
アビラテロン:1000 mg/日(通常) エンザルタミド:160 mg/日 アパルタミド:240 mg/日 ダロルタミド:1200 mg/日(600 mg×2回) |
腎肝機能や相互作用で調整されることあり |
| 2. 「1錠/1カプセルの薬価」を確認 | 同成分でも先発/後発・規格で単価が違う | 薬局で「見積書(薬剤情報提供書)」をもらうと正確 |
| 3. 月に必要な数量を計算 | 1日用量 × 30日(または28日) | 処方日数は施設方針により28日/30日など |
| 4. 薬剤費(総額) | 数量 × 単価 = 月の薬剤費 | 血液検査・診察料は別途 |
| 5. 自己負担額 | (月の医療費総額)× 自己負担割合(3割/2割/1割) | 年齢・所得区分で異なる |
| 6. 高額療養費制度 | 月の自己負担が限度額を超えた分は払い戻し/軽減 | 限度額は所得で変動(おおむね 1〜10数万円/月の範囲) |
相場観(薬剤費・税込/月のレンジ感)
下は近年の公表薬価レンジをベースにした概算感です。
実価格は施設・規格・改定で変動します。確定額は薬局見積りでご確認ください。
実価格は施設・規格・改定で変動します。確定額は薬局見積りでご確認ください。
| 薬剤名 | 1日標準用量 | 薬剤費(自己負担前)概算レンジ / 月 | 自己負担の目安 |
|---|---|---|---|
| アビラテロン(+プレドニゾロン) | 1000 mg | 約 30〜60 万円 | 3割負担:約 9〜18 万円(高額療養費でさらに軽減) |
| エンザルタミド | 160 mg | 約 40〜70 万円 | 3割負担:約 12〜21 万円(同上) |
| アパルタミド | 240 mg | 約 40〜70 万円 | 3割負担:約 12〜21 万円(同上) |
| ダロルタミド | 1200 mg | 約 30〜60 万円 | 3割負担:約 9〜18 万円(同上) |
自己負担の具体例(シミュレーション)
ケースA:現役並み所得・3割負担
- 薬剤費が 60万円/月、通院等を含む総医療費が 70万円/月
- 自己負担 = 70万 × 30% = 21万円
- ただし 高額療養費の限度額(所得区分に応じる)まで軽減
ケースB:70歳以上・2割負担
- 総医療費が 50万円/月
- 自己負担 = 50万 × 20% = 10万円
- 限度額を超える分は高額療養費で払い戻し
よく一緒にかかる費用
| 項目 | 費用イメージ | 備考 |
|---|---|---|
| LHRH注射(リュープロレリン等) | 1〜3か月に1回・数万円(自己負担前) | 新規ホルモン薬に併用が基本 |
| 骨修飾薬(デノスマブ/ゾレドロン酸) | 1〜3か月に1回・数万円(自己負担前) | 骨関連事象の予防 |
| 定期採血・画像(CT/骨シンチ 等) | 数千〜数万円/回 | 効果判定・副作用モニタリング |
費用を抑えるコツ
・高額療養費制度:限度額管理で月の負担を抑制(事前に「限度額適用認定証」申請が便利)
・先発/後発・規格:同成分でも単価が違うことがあるため薬局で比較相談
・28日処方 vs 30日処方:施設ルールにより月の請求単位が変動
・医療費控除:年間10万円超の自己負担は確定申告で控除対象
・先発/後発・規格:同成分でも単価が違うことがあるため薬局で比較相談
・28日処方 vs 30日処方:施設ルールにより月の請求単位が変動
・医療費控除:年間10万円超の自己負担は確定申告で控除対象
※本ページは概算の考え方を示す教育用の早見表です。最新の薬価・自己負担・限度額はお住まいの自治体・加入保険・所得区分で異なります。
正確な見積りは、処方予定の規格と処方日数を医師に確認し、薬局で「月額見積り」を発行してもらってください。