病理結果に応じた早期サルベージ放射線

前立腺がん手術後の放射線療法について、最新の推奨に基づき整理しています。

◆ 用語整理

病理結果に応じ

手術標本で判明するリスク所見を指す（例：断端陽性、被膜外浸潤、精嚢浸潤、リンパ節転移）。

早期サルベージ放射線療法

PSAが再上昇し始めた段階で放射線照射を早めに開始する方針。
アジュバント照射（全員に即時照射）に比べ、副作用を減らしつつ再発抑制が期待できる。

◆ 適応判断の流れ

• 病理診断：断端陽性、pT3、精嚢浸潤、GS高値など
• PSA測定：術後は測定感度以下が望ましい。
  PSAが 0.1〜0.2 ng/mL に上がり始めたら要検討。
• 治療選択：リスク所見あり＋PSA再上昇 → 早期サルベージ開始が望ましい。

◆ ポイント

• 全員にアジュバント照射ではなく「病理＋PSAで判断した早期サルベージ」が主流。
• 副作用リスクを減らしつつ再発抑制効果を得られる。
• 照射範囲（前立腺床のみ／骨盤リンパ節まで）は個別検討。
• 最新の国際ガイドライン（EAU・AUA・NCCN）でも推奨される。