前立腺癌 全摘手術後の回復スケジュール
※施設・術式・合併症の有無で大きく異なります。必ず主治医の指示を最優先してください。
注意フラグ
- 発熱、悪寒、創部の強い発赤・膿、鮮血の持続出血
- 悪化する腹痛・陰嚢の強い腫れ
- ふくらはぎの痛み・腫れ、息切れ(血栓症疑い)
上記があれば時間外でも病院に連絡
術後当日(POD0)病棟
- バイタル監視、早期離床:看護師と一緒に起立・座位
- 疼痛管理:PCAや内服。痛みは我慢せず申告
- 呼吸ケア:深呼吸・足関節運動で血栓予防
術後1日目(POD1)
- 歩行距離を徐々に延長(病棟内を数回)
- 食事:流動→三分粥など、ガス排出確認
- ドレーン管理(ある場合)・創部観察
術後2〜3日目(POD2–3)
- 段差のある歩行・階段練習(安全に)
- 退院教育:創部ケア、カテーテル・尿管理の指導
- 便秘対策:水分・歩行・処方下剤の指示遵守
退院日は施設方針と体調で前後します。
退院日〜自宅1週自宅ケア
活動
- こまめな歩行(目安:1日 合計30〜60分を分割)
- 重い物×:5kg以上は避ける/腹圧をかけない
- 自動車運転は医師許可後(痛み止め服用中は不可)
食事・排泄
- 水分十分、刺激物・アルコールは原則控える
- 食物繊維を少しずつ再開、便秘・下痢なら連絡
- カテーテル中は清潔保持・尿量/色を記録
創部はシャワー中心。湯船・サウナは医師許可が出るまで控える。
骨盤底筋トレ(軽度)
- 力み禁止。尿を我慢する時の筋肉を軽く2〜3秒締めて脱力×5回、1日3セット目安(痛みや出血があれば中止)
受診予定
カテーテル抜去予定日は主治医指示(例:術後1〜2週間前後)
1〜2週
- 歩行量を増やす(合計60〜90分目安/分割)
- おりもの様の少量血尿は経過で見られることあり。鮮血・血塊・増悪は受診
- 骨盤底筋トレを段階的に回数アップ(痛みなしが前提)
仕事復帰の目安
- デスクワーク:2〜4週以降で体調次第
- 肉体労働:医師許可が出るまで延期(腹圧×)
2〜4週
- 軽い家事・散歩延長、坂道は様子をみて
- 入浴再開は創部治癒・医師許可後
- 失禁(尿もれ)対策:トレ加速/パッド交換の記録
再診・病理結果説明など
- 病理結果・追加治療の要否説明(必要時)
- PSAの基準値・次回採血時期を確認
4〜8週
- 有酸素運動:速歩・エアロバイクなどを20〜30分、週3〜5回(痛みがない範囲)
- 筋トレ:腹圧が強くかかる種目は医師許可後に再開
- 性機能リハは主治医と相談(薬・デバイス等の選択肢)
食生活の戻し方
- 高たんぱく・適切な食物繊維・十分な水分
- アルコールは体調安定と医師許可後に少量から
長期フォロー(〜12か月)
- PSA定期チェック(頻度・目標値は主治医指示)
- 尿失禁:日記で量・回数・状況を記録し改善傾向を確認
- 勃起機能:治療選択(薬剤・陰圧装置 等)を外来で相談
セルフモニタリング
PSA
測定日/値/次回予約を記入:
記入欄 _/_(日) / 値:__ ng/mL / 次回:__/__
尿もれ日記
1日のパッド交換回数・運動量・水分量・誘因(咳・立位など)
主治医に確認しておくこと
- 創部のシャワー・入浴再開OKの具体日
- 運転・職場復帰の目安
- カテーテル抜去予定日と前後の注意点
- 便秘時の下剤・痛み止めの使い方
- PSA採血のタイミング・目標値
- 性機能リハ(薬・デバイス)の可否
これは一般的な目安です。術式(開放・腹腔鏡・ロボット支援)や合併症の有無で異なります。
個別の指示がある場合は必ずそちらを優先してください。