痰が多い/味や匂いが強いときのセルフケア&受診ガイド
色・匂い・期間・随伴症状で緊急度が変わります。まずは自宅でできる対策と、受診時に行われる検査を確認。
セルフケア(今日からできること)
- 十分な水分:こまめに少量ずつ(温かいお茶・スープ◎)痰を薄める
- 加湿:加湿器または濡れタオル/浴室蒸気で 湿度40〜60%目安
- 鼻うがい・鼻洗浄(副鼻腔炎疑い時):0.9%食塩水・人肌温度で/市販器具を正しく使用
- 口腔ケア:歯磨き+舌清掃、就寝前は特に丁寧に 臭い対策
- 禁煙・受動喫煙回避:ニコチンガム等の補助も検討
- 睡眠時の体位:やや上体を起こして横向きで咳刺激を軽減
- 逆流対策:就寝2〜3時間前以降は飲食を控える、脂っこい・辛い物を控える
- アレルゲン回避:花粉・ハウスダスト対策(マスク、換気、寝具洗濯)
- 解熱鎮痛薬/去痰薬の一般薬:必要時のみ。長引く場合は独断で続けず受診
※糖尿病・腎疾患・心不全など基礎疾患がある方は水分量の自己調整に注意し、主治医指示を優先。
避けたいこと
- 抗生物質の自己判断使用・飲み残しの流用 耐性化リスク
- 強いうがい薬の頻回使用(粘膜刺激で悪化)
- 極端な乾燥・冷え、喫煙直後の深呼吸
- 血痰が出ているのに運動で無理をする
- 高熱や息切れを「様子見」で数日放置
受診の目安(重要)
- 1週間以上 毎日痰が続く、または悪化している
- 黄色〜緑・茶色・黒色の痰が続く/強い悪臭
- 血痰(赤・ピンク・錆び色)が繰り返し出る
- 発熱、胸痛、息切れ、体重減少、夜間の寝汗がある
※既往に慢性呼吸器疾患(COPD・気管支拡張症など)、免疫低下、結核既往がある方は早めに受診。
今すぐ救急へ
- 息が苦しい/会話が続かない/チアノーゼ(唇が紫)
- 大量の血痰・鮮血、または吐血が疑われる
- 高熱(目安39℃以上)や意識障害、ぐったり感
- 胸の強い痛み、片脚の腫れ+突然の息切れ(肺塞栓の懸念)
- パルスオキシメータがある場合:SpO₂ 93%未満
病院での主な検査
| 検査 | 目的 |
| 問診・診察(喉・胸部聴診、鼻腔・口腔) | 副鼻腔炎/扁桃炎/気道分泌の性状・範囲を把握 |
| 血液検査(WBC, CRP など) | 炎症や細菌感染の有無・程度 |
| 胸部X線(必要に応じCT) | 肺炎、結核、腫瘍、気管支拡張症の評価 |
| 喀痰検査(塗抹・培養・感受性) | 起因菌の特定と抗生物質選択 |
| 抗酸菌検査(必要時) | 結核・非結核性抗酸菌症の鑑別 |
| 呼吸機能検査(スパイロメトリ) | 喘息・COPDなどの気流制限を評価 |
| アレルギー検査(IgE/特異的IgE) | アレルギー性鼻炎などの関与を確認 |
| 内視鏡(耳鼻科:鼻咽喉/呼吸器:気管支鏡) | 膿の流入源・出血源、腫瘍など精査 |
| 細胞診(必要時) | がんの可能性を評価 |
結果により、抗菌薬、去痰薬、吸入治療、ステロイド、鼻副鼻腔の処置、リハビリ(排痰法)などを組み合わせます。
受診時に持参・伝えると役立つ情報
症状の始まり/続いている日数
痰の色と匂いの変化(写真OK)
発熱・体重変化・夜間の寝汗
喫煙歴・受動喫煙・粉じん曝露
既往歴・内服薬(市販薬含む)
家族内で同様症状の有無
※このページは一般的な目安です。症状が強い・長引く・不安が大きい場合は早めに医療機関にご相談ください。