🌿 野草・薬草・山菜で作る糖質分解タイプの自家製酵母

※市販製品とは無関係の自家製レシピ集。食品衛生と自己管理の範囲で実施してください。

基本の考え方

  • 酵母の得意分解:ショ糖(砂糖)→インベルターゼでブドウ糖+果糖、麦芽糖→マルターゼでブドウ糖へ。いずれも発酵(CO₂+エタノール)につながります。
  • デンプンは別途酵素が必要:デンプン→麦芽糖/ブドウ糖にするために、麹水発芽穀液(アミラーゼ)を併用すると安定。
  • 野草・山菜の役割:表面常在の野生酵母+香り成分・微量栄養で個性づけ。

共通ベース(酵母水の仕込み)

容器と衛生:熱湯消毒した広口瓶500ml、清潔なスプーンを使用。塩素を抜いた水を使う。
配合目安:野草/花/果実ひとつかみ(10〜20g)+水350ml+砂糖3〜5%(10.5〜17.5g)。
砂糖はショ糖源(インベルターゼ活性向き)。蜂蜜でも可(浸透圧に注意)。
温度・日数:20〜28℃・暗所で2〜5日。1日1〜2回やさしく振る。微炭酸・泡・心地よい香りが出たらOK。
完成と保存:茶こしで濾し、冷蔵(4〜7℃)で3〜5日以内を目安に使用。
失敗サイン:強い腐敗臭/硫黄臭、毛足の長いカビ、糸引き → 即廃棄し容器を再消毒。

素材別レシピ(糖分解に相性の良い組み合わせ)

① ヨモギ酵母水(ショ糖→分解→発酵の王道)

材料ヨモギ 10〜15g / 砂糖 15g / 水 350ml
香り・特徴青香と草餅様の甘い余韻。パン/蒸しパン向き。
コツ砂糖5%寄りに設定すると発酵立ち上がりが早い。温度24〜27℃が安定。

② スギナ酵母水(麦芽糖系と好相性)

材料スギナ 10g / 砂糖 12g / 水 350ml
応用麦芽糖を足す:発芽玄米/押麦の浸出液(後述)を30〜50mlブレンド→マルターゼで良発酵。
用途クラッカー、食事パン、草香るパンケーキ。

③ カキドオシ+野いちご酵母水(果糖リッチで速い)

材料カキドオシ 8g+野いちご 20g / 砂糖 10g / 水 330ml
特徴果糖・グルコースが初期から供給され泡立ちが早い。デザート生地向け。
注意果実量が多すぎると酸敗しやすい。日数短め(2〜3日)で見極め。

④ ヤマブドウ葉 or 皮(芳香+酵母リッチ)

材料ヤマブドウの若葉5〜8g or 果皮少量 / 砂糖 12〜15g / 水 350ml
香りワイン様・ベリー様の香り。甘酒やソーダのスターターにも。
TIP皮は軽くすすぐだけでOK(常在酵母を残す)。

⑤ アイコ(ミヤマイラクサ)× 麦芽液ブースト

材料アイコの若芽 8〜10g / 砂糖 12g / 水 300ml + 発芽穀液 50ml
狙い発芽穀液のアミラーゼでデンプン→麦芽糖へ。酵母のマルターゼで発酵がスムーズ。
用途素朴な食事パン、ピザ種。

酵素ブースター(デンプン→糖へ)

A. 麹水(アミラーゼ+グルコアミラーゼ供給)

  • 米麹10gを40℃の湯200mlに15〜20分浸す→濾す(40℃超えない)。
  • 仕込み水の一部を麹水に置換(50〜100ml)。デンプン源のあるレシピと相性抜群。

B. 発芽穀液(モヤシ水/モルティング簡易版)

  • 玄米/押麦/小麦粒を一晩浸水→湿ったキッチンペーパーで半日〜1日置き、芽が少し出たら水200mlで30分浸出→濾す。
  • 仕込みに30〜50mlブレンド。麦芽糖が増え、発酵立ち上がり◎。
※麹や発芽穀液は“糖化”を助ける補助材で、酵母そのものではありません。入れすぎると酸度が上がることもあるため、まずは少量でテスト。

中種づくり(パン用の力を安定)

  1. プレ中種:酵母水50g+強力粉50gを混ぜ、24〜26℃で6〜8h。体積が1.5〜2倍に。
  2. 冷蔵休ませ:4〜8℃で12〜24h。
  3. 本中種:同量継ぎ足し(酵母水50g+粉50g)を2回。香りがよく、発酵力がそろう。
パン/ピザ蒸しパンホットケーキ甘酒ソーダ

“糖質分解”を体感するテスト

ショ糖テスト砂糖3%の水溶液100mlに完成酵母水10mlを加え、室温24℃。30〜120分で微細泡→成功。
麦芽糖テスト発芽穀液50ml+水50mlに酵母水10ml。泡立ちが明確ならマルターゼ活用が進んでいるサイン。

安全・保存・よくあるQ&A

  • 保存:酵母水は冷蔵で3〜5日目安。勢い低下時は砂糖小さじ1を追い餌→半日様子見。
  • 飲用可否:自己責任で少量から。異臭・濁り強・糸引き・カビは飲食不可。
  • 再培養:元の香りが弱ければ、同じ素材を少量追い足して1〜2日で香り戻し。
  • 低温期:20℃未満では遅い。カイロや発泡箱で保温(30℃以上は避ける)。

注:薬機法に配慮し、効能・治療効果の断定表現はしていません。食品としての一般的な発酵利用を想定しています。