前立腺がん疑い時の生検:一目で分かる要点

必要か? 方法は? 合併症は? 結果はどう読む? —— 最低限ここだけ。

1) 生検が勧められる目安

  • PSA高値/上昇傾向 + 直腸診で異常。
  • 前立腺MRIで PI‑RADS 3以上 の病変。
  • 初回陰性でもPSAが上がり続ける・異型所見あり。
ポイントMRI先行 → 標的生検+系統生検の併用が基本。

2) 生検の方法(どっち?)

  • 経会陰(TP):会陰から刺入。感染リスク低い
  • 局所麻酔(+鎮静)で外来が一般的。
  • 経直腸(TR):肛門から刺入。感染リスクやや高
  • 抗菌薬予防を併用するのが通常。
迷ったらTP優先を相談。PI‑RADS≧3は標的+系統で本数を確保。

3) 当日までの準備&流れ

  1. 内服確認:抗凝固/抗血小板薬は中止要否を主治医と調整。
  2. 抗菌対策:TRは原則あり、TPは最小限または不要の施設も。
  3. 所要時間:外来で30–60分目安。術後は安静・水分。
  4. 受診目安:発熱38℃超・強い痛み・尿が出ない → 連絡/救急。

4) よくある合併症

  • 血尿/血精液/軽い血便:多くは数日〜数週で自然軽快。
  • 感染:TP<TR。悪寒・高熱は早めに受診。
  • 尿閉:前立腺が大きい場合まれにあり。

5) 結果の読み方(超シンプル)

  • Grade Group(GG)1〜5:数字が大きいほどリスク高。
  • 例:GG1=Gleason 3+3/GG2=3+4/GG3=4+3/GG4=8/GG5=9–10。
  • PSA・MRI・病期と合わせて 監視/手術/放射線/薬物 を検討。

6) 迷ったらこの順

  1. MRI先行(PI‑RADS評価)。
  2. TP生検+標的&系統で十分本数。
  3. 陰性でもPSA上昇なら 再評価(MRI±再生検)
個別条件(年齢・併存症・希望)で最適解は変わります。最終判断は主治医と。
一般的な情報です。症状や検査値に応じて必ず主治医にご相談ください。