転移あり(骨転移など)前立腺がん|治療費の目安

転移あり(骨転移など)前立腺がん|治療費の目安

日本の公的医療保険 前提 自己負担:1/2/3割で変動
金額は薬価改定・規格・処方日数・施設で変わります。ここでは薬剤費(自己負担前)のおおよその月額レンジと、 3割負担時の目安を示します。実際は高額療養費制度でさらに軽減されます(所得区分で上限あり)。

全身治療(主役)

治療標準用量薬剤費レンジ(自己負担前/月)3割負担の目安備考
ADT(去勢療法)
リュープロレリン/ゴセレリン等
1〜3か月毎注射 3〜10万円(月換算) 1〜3万円 初回・維持で価格差。診療/注射料別
アビラテロン(+プレドニゾロン) 1000 mg/日 30〜60万円 9〜18万円 空腹時内服。肝機能/カリウムなど採血あり
エンザルタミド 160 mg/日 40〜70万円 12〜21万円 倦怠・高血圧などモニタリング
アパルタミド 240 mg/日 40〜70万円 12〜21万円 発疹・甲状腺/骨密度に注意
ダロルタミド 1200 mg/日 30〜60万円 9〜18万円 相互作用少なめ報告
ドセタキセル(点滴) 3週毎 10〜30万円+投与/支持療法費 3〜9万円+諸費用 G-CSF・前投薬・採血・点滴料が加算
カバジタキセル(点滴) 3週毎 20〜40万円+諸費用 6〜12万円+諸費用 ドセタキセル後の選択肢
ラジウム-223(骨転移・症状あり) 月1回×最大6回 20〜40万円 6〜12万円 注射・採血・画像費用が別途
PSMA標的放射性治療(Lu-177-PSMA等) 施設/適応に依存 保険外/先進・治験枠:設定により大きく変動 適応可否はPSMA-PETで判定

骨転移に対する支持療法

薬剤投与薬剤費レンジ(自己負担前/回)3割負担備考
デノスマブ 4週毎皮下注 5〜10万円 1.5〜3万円 Ca/VitD併用、低Ca血症に注意
ゾレドロン酸 3〜4週毎点滴 1〜3万円 0.3〜0.9万円 腎機能チェック必須

モニタリング等でかかることが多い費用

項目頻度の目安概算(自己負担前)備考
採血(血算・肝腎機能・PSA・電解質) 2〜8週毎 数千〜1万円台/回 薬によって項目が増減
画像(CT/骨シンチ/MRI) 3〜6か月毎+症状時 数千〜数万円/回 PSMA-PETは施設/適用で変動
外来管理・投与/点滴・注射料 投与時 数千〜数万円/回 薬剤費とは別に加算

自己負担の考え方(シミュレーション)

例A(3割負担)
月の総医療費が 70万円 → 自己負担は 21万円
ただし高額療養費制度で所得区分に応じた上限まで軽減。
例B(70歳以上・2割負担)
月の総医療費が 50万円 → 自己負担は 10万円
上限超過分は高額療養費で払い戻し。

費用を抑えるコツ

  • 限度額適用認定証を事前申請(窓口負担を上限内に)
  • 処方は28日 or 30日など施設ルールで変動(残薬・無駄を減らす)
  • 薬局で規格の単価を確認(同成分でも単価差あり)
  • 副作用対策を徹底して治療中断を防ぐ(結果的にコスト効率↑)
重要:上記は教育目的の概算レンジです。
正確な月額は「予定薬剤の規格・日数・併用・検査内容」を前提に、医療機関と薬局の見積りでご確認ください。

※薬価・適応・制度は更新されます。最新の自己負担上限(高額療養費)は加入保険・所得区分で異なります。
値段だけで治療を選ばず、効果・副作用・通院負担も含めて主治医と相談してください。