前立腺がん全摘後の退院後の過ごし方と注意点
退院後は体力回復と排尿機能のリハビリが中心になります。
無理をせず、少しずつ日常生活に戻していきましょう。
1. 排尿トレーニング(尿漏れ対策)
- 骨盤底筋体操(ケーゲル体操)を1日3回ほど行う。
- 排尿日誌をつけ、回数・漏れの状況を記録。
- 軽い尿漏れは一時的で、多くは数か月で改善。
- 咳・くしゃみ時の漏れを防ぐには、下腹部を意識して締める練習を。
💡 ポイント:夜間は漏れやすいので、吸収パッドを併用し安心して休みましょう。
2. 排便のケア
- 便秘を避けるため、水分を1日1.5〜2Lほど摂る。
- 野菜・海藻・発酵食品(味噌・ヨーグルト)を多めに。
- 強くいきむと骨盤底に負担がかかるため、便が硬いときは早めに整腸剤を。
3. 性機能の回復について
- 神経温存の有無により勃起機能の回復時期は異なる。
- 早期からのリハビリ的なED治療(内服薬・陰圧装置など)で血流維持が重要。
- 退院直後は性交渉を控え、主治医の許可が出てから再開。
- 性的刺激による尿漏れ(クリマスリーク)は一時的な現象。
💬 メンタルケア:パートナーとオープンに話し合い、不安を共有することが回復を早めます。
4. 生活リズムと運動
- 退院後1〜2週間は、1日20〜30分程度の散歩から始める。
- 自転車・重労働・長風呂は1か月程度控える。
- 体重増加を防ぐため、脂質を控えたバランス食を。
- 睡眠は十分に取り、免疫回復を促す。
5. 定期通院と再発チェック
- 退院後1〜3か月ごとにPSA検査を受ける。
- PSAが0.2ng/mLを超えた場合、再発精査が必要。
- 違和感・排尿痛・血尿などは早めに報告。