前立腺がん全摘後の入院治療の流れ（20日間モデル）

🩺 1. 入院前準備

• PSA値の再確認、MRI・CTで転移の有無をチェック。
• 前日までに軽い食事、夜9時以降は絶食・絶飲。
• 血液サラサラ薬（ワーファリン、バイアスピリン等）は医師の指示で中止。
• 入院日は朝から検温・採血・尿検査など。

🏥 2. 手術当日（ロボット支援・腹腔鏡手術）

• 全身麻酔下で3〜5時間ほどの手術。
• 膀胱と尿道を縫合、尿管カテーテルを留置。
• 神経温存は片側または両側の可能性（勃起機能温存に影響）。
• 手術後は集中治療室または個室でモニタリング。

🌙 3. 手術後 1〜3日目

• 絶食期間中は点滴で栄養補給。
• 体位変換・足首運動で血栓防止。
• 発熱・出血・痛みのチェックを看護師が定期巡回。
• 尿管カテーテルからの尿量と色を観察。

🍚 4. 手術後 4〜7日目

• 食事再開（流動→やわらか食）。
• 少しずつ歩行訓練を始め、筋力回復を促進。
• 排ガス確認後に抗生剤を減量。
• 創部の痛みが軽減すれば入浴（シャワー）許可。

🚻 5. 手術後 8〜14日目

• 尿管カテーテルを抜去し、排尿訓練を開始。
• 尿もれ防止のための「骨盤底筋トレーニング」を指導。
• 軽い散歩・階段昇降など日常動作を再開。
• 再度PSA測定。値が0.1未満なら良好。

🏡 6. 退院〜自宅療養

• 退院目安は術後15〜20日。
• 自宅では尿もれ対応（パッド使用・体操継続）。
• 性生活は医師の許可後（通常は2〜3か月後）。
• 重い荷物・強い腹圧は2か月間避ける。

💊 7. 再発防止・治療の選択肢

• 定期的なPSA測定（3か月ごと）で再発チェック。
• PSA再上昇時は「放射線治療」または「ホルモン療法（去勢剤・抗アンドロゲン剤）」を選択。
• 局所再発の場合：放射線外来通院（6〜8週間）
• 転移再発の場合：ホルモン療法＋分子標的薬を使用。場合により短期入院で開始。

💰 8. 保険・給付制度

• 高額療養費制度・限度額認定証の利用で負担軽減。
• がん保険：手術給付金＋入院日額支給対象（20日間なら20日分）。
• 生命保険の「リビングニーズ特約」「先進医療特約」も確認。
• 入院中にソーシャルワーカーへ相談可。