要点
・市販のエナジードリンクは明確な合成成分と量(例:リポビタンDは100mlあたりタウリン1000mgなど)をラベルで示しています。1
・野草由来の飲料はミネラル・ポリフェノール・食物繊維・発酵由来のアミノ酸や有機酸が特徴で、発酵によって総ポリフェノールやビタミンの可溶化・微生物生成が期待される(文献レビュー)。2
・主な野草(ヨモギ、スギナ、タンポポ、スベリヒユなど)の各成分や含有傾向は植物化学や栄養報告に基づいています(下の参考リンク参照)。3
導入:季節別 主成分(100mlあたり=推定)
| 季節 |
代表野草 |
主要成分(例:100ml当たり) |
発酵後の変化(目安) |
市販類似成分(比較) |
| 春 |
ヨモギ・スギナ・カキドオシ |
クロロフィル 15 mg シリカ 10 mg ビタミンC 25 mg アミノ酸類(発酵で増)約30
mg |
ビタミンC +15〜25% ポリフェノール +20% クロロフィル −10% |
タウリン 1000 mg(市販) |
| 夏 |
スベリヒユ・クズ・ドクダミ |
ルチン 20 mg カリウム 120 mg 乳酸菌(簡易発酵)10⁶〜10⁷ CFU/ml相当 有機酸
40 mg |
乳酸菌・酵母 新規生成 ポリフェノール +25〜40% |
カフェイン ~50 mg(市販) |
| 秋 |
タンポポ根・イタドリ・オオバコ |
イヌリン 800 mg ポリフェノール 40 mg ビタミンB群(合算)0.4 mg |
イヌリン 溶出で安定 ビタミンB群 +10〜30%(発酵で補強) |
ローヤルゼリー系成分(補助) |
| 冬 |
ヨモギ・アカネ・人参系 |
サポニン 25 mg クロロゲン酸 18 mg アルギニン 45 mg(発酵で増) |
サポニン+10〜20% アルギニン+15〜35% |
アルギニン サプリ(比較) |
(注)☝️上記は「推定値」です。採取時期・原料重量・抽出温度・発酵条件で実測値は大きく変動します。発酵による増減目安は文献レビューで観察されている傾向を反映しています。4
定量推定ロジック(計算根拠)
定量は次の順で算出しています(簡潔版)。実際の計算は HTML 下部の「計算例」をご覧ください。
- 原料の基準値取得:学術論文・食品成分表・植物分析報告から「原料100gあたりの成分含有量」を取得(例:ヨモギのクロロフィル、スギナのケイ素など)。5
- 投入量換算:レシピで使う原料量(例:乾燥粉10 g)を飲料総量(例:800
ml)に対して比率化。→ 原料由来の成分は「(原料量/100 g) × 原料成分量」で初期溶出ポテンシャルを算出。
- 抽出率(溶出率)仮定:成分の水・熱での抽出率を文献や実務経験で仮定(例:ポリフェノールやビタミンの溶出
50〜80%、ミネラルはやや高めの 70%
等)。発酵タイプは溶出+微生物代謝変化を考慮します。発酵増加は文献で報告される「+10〜40%」幅を使用。6
- 発酵影響の加味:文献レビューで示唆されている増加率(例:ポリフェノール+20%等)を乗じる。乳酸菌・酵母は「CFU/ml目安」を併記。7
- 最終換算:上記で得た最終溶出量を飲料総量(例:800 ml)で割り、100
mlあたりに換算して表示。
計算例(具体)
状況:乾燥ヨモギ 10 g を 800 ml に投入、ヨモギのクロロフィル含有量 = 200 mg /
100 g(原料文献値の仮定値)
手順:
1) 原料からの理論総量 = (原料量 / 100 g) × 原料成分量 = (10 g / 100 g) × 200 mg = 20
mg のクロロフィル(理論値)
2) 抽出率を仮に 70% と仮定 → 溶出量 = 20 mg × 0.70 = 14 mg(これが抽出後の総量)
3) 飲料総量は 800 ml → 100 ml あたり = 14 mg × (100 / 800) = 1.75 mg / 100
ml
4) 発酵でクロロフィルが分解傾向(仮に −10%) → 最終は 1.75 mg × 0.9 ≈ 1.58 mg / 100
ml(四捨五入して約 1.6 mg)
注:☝️上の数値(200 mg/100 g
や抽出率70%など)は例示のための仮定です。実際は文献の原料値と抽出試験から具体数値を当てはめます。
発酵による成分変化の参考:総フェノール・総フラボノイドの増加や抗酸化活性の向上は多数のレビューで示唆されています(乳酸発酵や酵母発酵はバイオトランスフォーメーションを起こすため)。具体的な%は素材・菌株・温度で変動します。8
参考文献・出典(主要)
-
Lipovitan (Taisho) — 製品成分(例:タウリン 1000mg /100ml 等)。公式製品PDF。
Taisho — Lipovitan product PDF. 9
-
発酵が栄養価に与える影響(レビュー):Knez et al., 2023 — "Effect of Fermentation on
the Nutritional Quality..."(発酵によるポリフェノール・ビタミンの変化について)。PMC公開。
PMCID: PMC10051273. 10
-
スギナ(Equisetum arvense)に関するケイ素(シリカ)含有報告(植物分析・研究)。例:ResearchGate /
Journal 抜粋。
Calculating the Silicon in Horsetail
(ResearchGate). 11
-
タンポポ(Taraxacum officinale)— 根中のイヌリンや成分に関するレビュー(PMC)。
Dandelion as a Source of… (PMC). 12
-
スベリヒユ(Portulaca oleracea)栄養組成に関する研究(ミネラル高含有の報告)。
Phytochemical composition and nutritional
value of Purslane. 13
-
黒糖や黒糖発酵物の有用成分に関する国内資料(黒糖のミネラルやアミノ酸等)。(日本語の産業誌記事等)
日本食品保蔵科学会誌(黒糖に関する記事). 14
☝️上記は主要ソースの抜粋です。個別の成分についてより詳細な一次データ(GC-MS, HPLC, AAS
等の分析値)を取得したい場合は、該当する分析論文(植物名+"HPLC" / "GC-MS" / "AAS" 等の検索)が有用です。
データの信頼性・使い方
・このページの成分値は「研究報告・食品成分表の値」を基にした推定です。実測には必ず分析(HPLC等)が必要です。15
・必ず成分分析と安全性(微生物・重金属・残留農薬)検査を行ってください。
免責:ここに示した数値は家庭用レシピの目安です。治療効果の保証をするものではありません。
成分出典と定量推定ロジック(参考資料)
🌸 自然と共に育つ「発酵セルフケア」文化を次の世代へ
🌸2025~発酵野草ラボ / 五箇山Project - 自然の恵みを活かす自然のくらし