完全食:野草・薬草・山菜+放置で育つ野菜
一皿で三大栄養素+ビタミン・ミネラル・食物繊維”を満たすことを目標に、山の恵みと放任栽培しやすい野菜で組み立てた実用レシピ集。
野草/薬草山菜放任栽培OK発酵・乾物対応
完全食の設計式(フォーミュラ)
- 主食(でんぷん):じゃがいも・さつまいも・里芋・自然薯・雑穀(そば粉・はったい粉)など
- たんぱく+良質脂質:えごま(荏胡麻)・クルミ・落花生・大豆製品(味噌/納豆/おから)・卵(飼えるなら)
- 濃緑葉&山菜:ヨモギ・スギナ・オオバコ・カキドオシ・ドクダミ若葉・アイコ(ミヤマイラクサ)・タラの芽・コゴミ等
- ミネラル強化:乾燥野草粉(ヨモギ/スギナ)+えごま・ゴマ/(海藻が手に入るなら)ワカメ/昆布少量
- 発酵・旨味:味噌・醤油麹・塩麹・甘酒(非加糖)で吸収と風味を底上げ
※ビタミンB12は植物だけだと不足しやすいので、卵1個 or 小魚少量 or 強化食品/サプリの併用を推奨(詳細は末尾)。
① 山の完全食ボウル(春)(約560 kcal / たんぱく22g 目安)
材料(1人)
- じゃがいも中 1個(主食)
- ヨモギ若葉 ひと握り(下茹で)
- オオバコ若葉 ひと握り(刻む)
- えごま(種) 大さじ1.5(炒って潰す)
- 味噌 大さじ1 / 醤油麹 小さじ1
- 納豆 1パック (自家製OK)
- 卵 1個 (B12源。菜食なら省略→B12強化案へ)
作り方
- じゃがいもは皮ごと蒸す/茹でて粗く潰す。
- 下茹でヨモギ+刻みオオバコを混ぜ、味噌&醤油麹で和える。
- 器に①②を盛り、納豆・半熟卵・摺ったえごまをのせる。
- 仕上げに熱湯少々を回しかけ、全体を混ぜて食べる。
狙える栄養:炭水化物・たんぱく・脂質(α-リノレン酸)・食物繊維・鉄・カルシウム・葉酸・ビタミンA/C/K・亜鉛・マグネシウム
置き換え・保存
- じゃがいも→さつまいも/里芋/そばがき
- ヨモギ→スギナ若芽粉/カキドオシ/ドクダミ若葉(少量)
- えごま→クルミ/ゴマ(在庫に応じて)
- 野草は茹でて冷凍・粉末化でストック可
② そばがき × 野草だし汁(通年)(約520 kcal / たんぱく18g)
材料
- そば粉 80g(主食+たんぱく)
- スギナ粉 小さじ1 / ヨモギ粉 小さじ1
- 味噌 小さじ2 / 乾燥椎茸 1枚(粉でも)
- えごま(すり) 大さじ1
- 刻みニラ ひと握り(放置栽培向き)
- (あれば)ワカメひとつまみ
作り方
- そば粉に熱湯を注ぎ、練ってそばがきを作る。
- 鍋に水・椎茸・味噌・野草粉を入れて温め、だし汁に。
- 器に①を入れ、②を注ぎ、ニラとえごまを散らす。
ポイント:そば粉でリジン等の必須アミノ酸を補い、野草粉でミネラル密度UP。
③ 里芋とタラの芽の“えごま味噌”和え(春〜初夏)(約480 kcal / たんぱく14g)
材料
- 里芋 小 4個(主食枠)
- タラの芽 6本(下茹で) / コゴミ ひと握り
- えごま 大さじ2(炒って摺る)
- 味噌 大さじ1.5 / 甘酒 大さじ1(甘味)
- 刻みシソ(大葉) 3~4枚
作り方
- 里芋を皮ごと蒸し、手で皮をつるっと剥く。
- タラの芽・コゴミはサッと下茹で。
- 味噌・甘酒・摺りえごまを合わせ、里芋と山菜を和える。大葉を散らす。
狙える栄養:でんぷん・葉酸・ビタミンK・カリウム・多価不飽和脂肪酸・食物繊維。
④ 夏の放任“緑の冷や汁”ボウル(ツルムラサキ/オカワカメ)(約540 kcal / たんぱく20g)
材料
- さつまいも中 1/2本(蒸す)
- ツルムラサキ or オカワカメ ひと握り(刻む)
- きざみミョウガ 1本 / 大葉 3枚
- すりえごま 大さじ1.5 / 味噌 大さじ1
- 冷水 150ml(味噌を溶かす用)
- (お好み)納豆1/2P or おから 30g
作り方
- 味噌を冷水で溶き、刻み野草・薬味・えごまを混ぜる。
- 器に潰したさつまいもを敷き、①を注いで混ぜながら食べる。
夏バテ対策:カリウム・マグネシウム・葉酸・ビタミンK、えごまで必須脂肪酸。
主要栄養素マップ(このセットで満たしやすい要素)
| 栄養素 | 主な供給源 | メモ |
| 炭水化物 | じゃがいも/さつまいも/里芋/そば粉 | 食物繊維も同時に確保 |
| たんぱく質 | そば粉・納豆・おから・卵 | アミノ酸バランスは「そば×大豆」で改善 |
| 脂質(必須脂肪酸) | えごま・クルミ・ゴマ | α-リノレン酸(ω3)を確保 |
| 鉄・葉酸 | ヨモギ・スギナ・濃緑葉/山菜 | 吸収アップに発酵・ビタミンCを併用 |
| カルシウム・マグネシウム | スギナ・野草粉・えごま・ゴマ | 乾燥粉末化が有効 |
| ビタミンA/K | ヨモギ・タラの芽・大葉・ツルムラサキ | 脂質と一緒に摂る |
| ビタミンC | 山菜若葉・ミョウガ・大葉 | 生・短時間加熱で |
| ヨウ素 | (入手可なら)ワカメ・昆布 | 内陸なら少量の乾物常備が楽 |
| ビタミンB群 | そば・大豆発酵品・卵 | 発酵で吸収↑ |
| B12 | 卵/小魚/強化食品/サプリ | 植物のみだと不足しやすい |
| 食物繊維 | 野草全般・いも類・そば | 腸内環境の土台 |
“ほぼ放置で育つ”おすすめ
- 多年・自生系: シソ(大葉)、えごま(こぼれ種)、ニラ、ミョウガ、ツルムラサキ/オカワカメ(つる性)、ヨモギ、スギナ、オオバコ、カキドオシ、ドクダミ
- いも類: じゃがいも・さつまいも・里芋(やせ地でも比較的強い)
- 雑穀・粉: そば(省力)・はったい粉(麦焦がし:常備粉)
安全・下処理メモ
- ワラビ・ゼンマイ等のシダ類はアク抜き必須(重曹/木灰+熱湯→流水)。
- ドクダミは少量から(独特の香り・体質差)。
- スギナはケイ素豊富だが硬いので若芽 or 粉末化が食べやすい。
- 採取は同定を確実に。農薬・排ガス沿い・危険エリアは回避。
仕込みストック(時短で“いつでも完全食”)
乾燥・粉末
- ヨモギ/スギナを低温乾燥→粉末→密閉保存(振りかけでミネラル補強)
- 乾燥椎茸粉:うま味+ナイアシン源
- えごまは炒って摺り、冷蔵で香り保持
発酵ベース
- 味噌玉(味噌+野草粉+えごま)を丸めて冷蔵
- 醤油麹:たれ・汁物の即席うま味に
- 甘酒:砂糖不使用の甘味&栄養の底上げ
“完全食”の現実的な注意点
植物性オンリーだと B12(神経・造血)とビタミンDが不足しやすく、DHA/EPAも少なめになりがち。
現実解としては「卵1個 or 小魚少量 or B12強化食品/サプリ」の併用が安全です。日光を適度に浴び、冬季はビタミンDも補完推奨。