葉と実の長期保存(五箇山向け)
山間部は夏の湿度と冬の豪雪が特徴です。乾燥時は室内陰干し+除湿、保存は冷暗所 or 冷凍が基本。
- 乾燥保存(葉): 風通しの良い日陰で2〜4日。完全乾燥後、密閉瓶+乾燥剤で保存。
- 冷凍保存(葉) :下茹で→冷却→小分けでラップ+冷凍。解凍はそのまま加熱調理。
- 実の乾燥: 晴天の日に天日で3〜5日。雨期は室内ネット乾燥機で代用。
- 蜂蜜漬け/酢漬け :乾燥実を蜂蜜や酢に漬けると保存+利用が簡単。
保存のコツ:湿気対策を最優先。密閉+乾燥剤でカビ予防。瓶は煮沸消毒推奨。
酵素シロップ(クコ) — 簡単定番
保存 冷蔵1〜3ヶ月(発酵進むため要観察)
材料(小瓶1本分)
乾燥クコ実 100g / 氷砂糖 200〜300g / レモン果汁または穀物酢 小さじ1(任意)
手順
- 瓶を煮沸消毒し、よく乾かす。
- クコ実と氷砂糖を交互に入れ、最後に蓋を軽くする。
- 直射日光を避け常温で1〜2週間置く。汁が上がってきたら軽く混ぜる。
- 味が馴染んだら冷蔵庫へ。炭酸や水で割って飲む。
発酵で泡が出ることがありますので、蓋は時々ゆるめてガス抜きしてください。
活用例
サワードリンク、ヨーグルトトッピング、ドレッシングの甘味に。
クコ発酵ドリンク(天然酵母タイプ)
冷蔵保存。微炭酸・微アルコールになることがあります。
材料
生クコまたは戻した乾燥クコ 150g / 水 1L / 蜂蜜 100g
手順
- 鍋に水とクコを入れ、弱火で10分ほど煮る。
- 火を止めて粗熱を取り、蜂蜜を溶かす。
- 清潔な瓶に移し、蓋はゆるめにして暖かい場所で1〜3日発酵させる。
- 炭酸が出始めたら冷蔵庫へ移して冷やしてから飲む(濾してもOK)。
※ 発酵が強すぎる・異臭・カビが出た場合は廃棄。
クコ甘酒(麹ベース・ノンアルコール)
保温で8〜10時間、出来立ては冷蔵で3〜5日。
材料(2杯分)
炊いたご飯 150g / 米麹 200g / 水 400ml / 乾燥クコ 20〜30g
手順
- ご飯と水を鍋で温め、温度を65℃前後に保つ(炊飯器の保温モード可)。
- 米麹をほぐして混ぜ、60〜65℃で8〜10時間保温する(甘味が出る)。
- 仕上げにクコを入れて30分置き、味を馴染ませる。
- 冷ましてから冷蔵保存。スムージーや焼き菓子にも活用可能。
クコ発酵酢(簡易)
冷暗所で2〜4週間。香りが馴染めば濾して完成。
材料
乾燥クコ 50〜100g / 穀物酢 500ml / 蜂蜜 小さじ1(任意)
手順
- 瓶にクコを入れ、酢を注ぐ。蜂蜜を加える場合は溶かす。
- 蓋をして冷暗所で2〜4週間漬け込む。好みで濾す。
コンブチャ(クコ応用)
既存のコンブチャに追加入れする方法の紹介です。
使い方
- 一次発酵が終わったコンブチャに乾燥クコ実を数十粒投入。
- 二次発酵で2〜3日追熟すると、風味と栄養が加わります。
- 酸味が強すぎる場合は追熟を短めに。異常があれば廃棄。
薬効別ブレンド(用途別おすすめ)
| 目的 | 素材(目安) | 使い方 |
|---|---|---|
| 疲労回復 | クコ実5〜10粒+ハトムギ小さじ1+蜂蜜 | 甘酒や酵素シロップに混ぜる |
| 美肌・美白 | クコ実5〜10粒+ハトムギ+ナツメ1個 | お粥・甘酒に入れる |
| 免疫強化 | クコ実10粒+菊花2輪+生姜少量 | 薬膳茶(煮出す) |
| 肝臓ケア | クコ葉一握り+ドクダミ少量+レモングラス | スープや煮出し茶に |
| むくみ対策 | クコ実+スギナ2g+ハトムギ | 煮出し/お茶に |
五箇山(南砺市)採取カレンダー
五箇山の高地・山間気候に合わせた目安です。年によって前後しますので、現地の気候(積雪量・春の雪解け)を確認してください。
4月
若葉の萌芽(早霜注意)
5月
若葉採取の最盛期(若葉は柔らかい)
6月
葉の採取継続(乾燥適期は晴れの日)
7月
成葉の収穫開始(栄養高い時期)
8月
葉と若い実が見られる。雨の多い年は注意
9月
実の赤熟が始まる(9月下旬〜10月上旬を目安)
10月
実の収穫(赤熟が最適)。根皮の採取も可
11月
霜が来る前の最終採取。根皮は秋に引き上げ
12月
冬季休止(豪雪期の前準備)
採取の注意:五箇山は保護区域や個人所有地があります。採取前に現地ルールを確認してください。
保存・活用まとめ
- 湿気対策が最重要:密閉+乾燥剤で保管。
- 少量で試す:発酵は温度と時間で大きく変化。
- 薬効を活かすには、継続的な利用(茶・甘酒・酵素)がおすすめ。
安全補足:妊婦・授乳中・薬服用中は医師に相談。発酵で異常な匂い・カビが出たら廃棄してください。
使い方と安全
このページは教育目的のガイドであり、診断や治療の代わりにはなりません。地域の慣習や法令を尊重して採取してください。
クイック:よくあるQ&A
- Q:クコの葉は生で食べられますか?
A:若葉は一部で生食されますが、五箇山では下茹でして利用することを推奨します。 - Q:保存期間の目安は?
A:乾燥実は1年、葉は条件次第で6ヶ月〜1年が目安です。